電戦トリオ的サルカニ合戦 Ver.1.3
例によって私、Sir.ぽぴんずによる相当主観的なお話です。本気で怒らないように(^^;
自分のキャラクターに思い入れが強くて、タチの悪い冗談に付き合ってられない、という人はお早めにお帰り下さい。
セガの公式設定とはぜんぜん関わりがありません。
1.うららかな午後
すずなりの柿の木の下で真っ赤な柿を食べている。
シャク、シャク・・なかなかイケるなー、どれもうひとつ。
ん?、ドルドレイがむこうで「おーい!こっちにもカキ!」とか叫んでいる。
どれ・・・・・・・・・・やけに遠いな。
さっきの柿を咀嚼しながら左腕のERLに柿を詰めるだけ詰めてむこうの上空で射出、「柿マイン!」・・とか
右手で柿を掴んだまま鉄拳ボカン・・・とか一瞬考えたが、どちらも結果は無残なことになるだろうし、
何よりむこうにはフェイ子がいるしなぁ・・・。
すると隣にいたグリ坊がすっと立ち上がった。
「あ、悪ィ・・・」と言いかけて止まる。なぜだろう?このひっかかる感じは?
なぜか頭の中でポクポクと木魚の音が鳴りはじめる・・「グリ坊」+「か」のつくモノ」=?・・・チーン!「あ!」
止めようとした時には既に遅く、先端に申し訳程度に柿をひとつちょこんと付けたICBMが空へと昇っていく・・あぁ、空が青い・・・。
グリ坊はとっても満足そうな顔をしている。・・・この距離ではもはや何をしても間に合わないだろう。
拙者は頭を抱えて連帯責任という言葉の意味を考えはじめていた・・・。
2.自宅は忍者屋敷
「・・・タングラム?」
家に帰ると居間には巨大な黒い球体がそびえていた。
よくよく見ると巨大な火鉢に見えなくもない。
だがいかな宇宙忍者屋敷だとてあまりにも不自然すぎる。身長の3倍近い火鉢だなんて・・なによりこんな物頼んだ覚えもない。
「さわらぬ神に何とやらでゴザルな・・・・ん?」
脇を通り過ぎようとしたところ、上の方に突起が何本か見え隠れしているのに気がついた。
ここからだと良くは見えないが、どこかで見た事があるような気がする・・・
上のイガイガがどうしても気になり、拙者は意を決してジャンプした。
「!!」
鼻先をかすめて飛んできたその物体をサイファーのSLCダイブだと分かったのは
それが家の天井を突き破って彼方へと飛んでいった直後だった。
あぢ、あぢ・・・鼻(?)のあたりからぶすぶすと白煙が上がっている。
バル吉は涙目になりながら水を求めて台所へと急行した。
3.台所は死角に刺客
台所に行くとそこにたたずむ人影がひとつ。
「テムジン?どうしたでゴザルか、メ〜ン?」
呼ばれて振り向いたテムジンはうつむき加減のままおもむろに大剣をレーザーランチャーへと展開する。
「芸がなんだぁ〜!」
涙声で何やら叫びながらレーザーをぶちかます。
「うわたったたた・・・」紙一重でかわせたバル吉だが、身を寄せた物陰にキラリと光るものに気が付いて身を固くする。
「あなたを殺して私も死ぬぅ〜!」
出刃包丁よろしくサーベルを腰だめにしたフェイエンが勢いよく飛び出してきた。
こちらはなんだかとっても楽しそうだ。おそらく何かの役になりきっているのだろう。
面食らったバル吉は咄嗟に飛び上がる。空中旋回であたりに注意を払うと、別の物陰に潜んでいたスペシネフと目が合った。
「悪く思うなよ、クックックッ・・・」 チュチューン!
ビームランチャーから放たれる五寸釘!・・ ぷす。
「このネコ!てめー、覚えてろ〜!」自分の意志とはうらはらにどんどん上昇していくバル吉。
天井へと当たるかと思われたその瞬間、目の前にあった返し戸を蹴り開け、そのまま天井裏へと転がり込む。(さすが忍者屋敷)
「むぅ、まさかアレが役に立つとは思わなかったでゴザル・・・」
まわりを警戒しながら屋根上の出口までの移動中、バル吉は何かデジャブのようなものを感じ始めていた。
4.屋根の上には
「確かどこかで見たよ〜な・・・」
屋根の上へ顔を出したバル吉は勝手口の上で下を見下ろして待機しているライデンの後ろ姿を見たときすべてを悟った。
「臼・・・でゴザルか。」そうと分かれば逃げ切るのみ!
無防備なライデンの背中にそっと鉄拳の照準を定めたとき、目の前を突然ふっと影がさした。上を見上げると、
「ボディー・プレース!」
そこには両腕を広げたグリスボックが急速に迫っていた。
アンタは加害者だろ、メ〜ン!?とか言うヒマもなく、屋根ごとつぶされて落下していくバル吉。
5.カニの敵討ち
月がきれいだ・・・
天井にぽっかりと空いた穴が変にすがすがしく感じる。
ウスに取り押さえられたサルは子ガニにヒゲを切り落とされるんだっけ?・・
仰向けに倒れたまま顔をなでてみる。ヒゲらしきものはない。
「あー、拙者バーチャロイドでよかったでゴザル・・・」
何だか訳の分からない安心をしているバル吉をひょいとつまみあげる巨大なハサミ。
バル吉の忍者屋敷よりもさらにもうひとまわり大きくなったドルドレイが回転数を上げる左のドリルを大きく振りかぶる。きゅいぃ〜ん・・・
「そりゃないぜ、セニョ〜ル!!」
6.後日談
「はっ!!」・・・・・夢?・・・かぁ・・。
全身汗でびっしょりになっていた。
枕元にサルカニ合戦の絵本が転がっている。昨日フェイ子が遊びに来て忘れていったものだ。
そういえば昨日帰り際に何か言っていたな・・・
「明日はみんなで柿狩りだからね・・・ドルドレイの農園に10:00集合!忘れるなよ!(びしっ、と指をさす)」
慌てて時計を見ると既に10:30。
彼の耳にはかすかに・・・だがハッキリと、迫り来るICBMの降下音が聞こえていた・・・・
−FIN−
あとがき・・・かな?
さてどうだったでしょうか?感想などメールかBBSの方にでも上げてもらえると幸いです。
ちょっと詰め込みすぎたきらいが無きにしもあらずですが、
まあ、夢なんてイメージの世界でディティールぼやけちゃってること多いですからね〜、
なんて言い訳のようなことを書いてみたりして(^^;
面白く書くのって難しいよね、今回書きながら頭の片隅で思い出していたのは
漱石の夢十夜だったりする。
そういや黒沢監督の「夢」も面白かったなぁ・・
ではまた。